「評判が悪かったりしても、怒らずに、何がうまくいかなかったのかを学び、次の作曲に生かしましょう!」作曲家インタビュー:ブライアン・サドラー氏(Brian Sadler)






[English is below Japanese]

Wind Band Pressと同じくONSAが運営する楽譜出版事業の「Golden Hearts Publications」でも一部作品の印刷・販売代行をしているアメリカの作曲家ブライアン・サドラー氏(Brian Sadler)に、設問に答えて頂く形でインタビュー取材を行いました。

日本にも縁のある作曲家なので、この機会により多くのことを知って頂ければ幸いです。


1. まず簡単にあなたの生い立ち、どこでどのように育ったのか、作曲家としての活動を始めたきっかけは何だったのか、などについて教えて頂けますでしょうか?

私は、アメリカのペンシルベニア州マウントポコノの出身です。 私が通っていたポコノマウンテン高校は、とても優れた音楽プログラムを持つ学校でした。 作曲や編曲をするバンドディレクターが2人いて、その影響で自分でも作品を作るようになりました。

 

2. あなたは多くの吹奏楽作品を発表しています。世界にはあなたの吹奏楽作品のファンがいます。吹奏楽にどのような魅力を感じているかについて教えて頂けますか?

私が吹奏楽を好きなのは、世界にはオーケストラよりも吹奏楽団の方がたくさんあるからです。 吹奏楽というとマーチやジャズの曲が中心だと思っている人が多いように感じますが、吹奏楽には無限の種類の音楽があり、実現できる音はオーケストラのような音になることもあるんです。

 

3. 吹奏楽曲を作曲する際、特に注意していることや心がけていること、あるいはあなた独自のルールはありますか?

それぞれのパートが演奏者にとって面白く、退屈しないように心がけています。 もし、そのバンドで誰が演奏しているのかがわかっていれば、その人の長所を引き立てるようなものを書こうと思います。 私のルールのひとつは、最初のリハーサルでうまく演奏できるよう、シンプルにすることです。

 

4. 作曲家として人生のターニングポイントとなった自身の作品があれば、その作品についてのエピソードを教えて下さい。(これは吹奏楽作品でなくても構いません)

私の「アメリカ海軍(America’s Navy)」ですね。この曲は、私にとって初めての吹奏楽のためのコンサート曲で、私が作曲家としての経験があることを同僚や上司に知らしめました。 それ以来、私はアメリカ海軍のバンドから編曲や作曲の依頼を受けるようになりました。

 

5-a. ご自身の作曲または編曲に強く影響を受けた他の作曲家や編曲家の作品があれば、それについてどのような影響を受けたのか教えて下さい。(クラシックでなくても構いません)

もちろん、私にとって最も大きな影響を与えたのは、ジョン・ウィリアムズです。 子供の頃から彼の音楽を聴いていて、母が持っていたレコードでスター・ウォーズのサウンドトラックを聴いていたものです。 初めてカセットテープで買ったアルバムは、『ジュラシック・パーク』のサウンドトラックでした。 彼の音楽は、私にとってクラシック音楽に命を吹き込み、聴きながら頭の中で映画を想像することを可能にしてくれました。 今日も作曲をするときは、それを模倣するようにしています。

 

5-b. 上記とは別に、現代の作曲家で注目している作曲家がいれば理由と合わせて教えてください。

最近知った作曲家の一人にサー・ウィリアム・ウォルトンがいます。 現代でも通用するモダンなサウンドにとても驚きました。

 

6. 将来の目標(またはこれから新たに取り組みたいこと)について教えてください。

米海軍を退役したら、フルタイムで自分の音楽を作曲して発表したいです。 また、時間ができたら、アニメーションの音楽ももっと作曲したいですね。

 

7. あなたの作品は、世界中の多くの国で演奏され、評価されていることと思います。日本の若い作曲家や作曲家を目指す日本の学生たちにアドバイスをお願いします。

自分の作品から学ぶ! うまく聞こえなかったり、評判が悪かったりしても、怒らずに、何がうまくいかなかったのかを学び、次の作曲に生かしましょう!


インタビューは以上です。サドラーさん、ありがとうございました!

サドラーさんには以前、下記のインタビュー企画にもご協力頂いています。

▼コロナ禍を私たちはどう生きたか~未来に残すそれぞれの記憶~:ブライアン・サドラーさん(Brian Sadler)(作曲家)へのインタビュー
https://windbandpress.net/16201

その他、過去のサドラーさんの記事はこちら。

▼アメリカの作曲家ブライアン・サドラー氏(Brian Sadler)の最新情報
https://windbandpress.net/3669

氏の作品は「Golden Hearts Publications」のストアからご購入いただけます。

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また、アメリカ欧州海軍のために書かれた行進曲「信頼、抑止、守護」は無料でダウンロード出来ますので、予算のないバンドはぜひご利用ください。

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取材・文:梅本周平(Wind Band Press)


Interview with Brian Sadler

1.First of all, would you tell me about your background, where and how you grew up, what made you started as a composer?

I am originally from Mt. Pocono, Pennsylvania in the USA. I went to school at Pocono Mountain High School, which had a very good music program. I had two band directors that composed and arranged and that inspired me to start creating my own pieces.

 

2. You have published many wind band works. There are fans of your wind band works in the world. Would you tell me about what fascinates you about wind band music?

I love wind band music because there are many more wind bands in the world than orchestras. I feel that many people think that wind band music is mainly marches and jazz songs but there are endless varieties of music available for wind band and the sounds that they can achieve can be very orchestral.

 

3. When composing a wind band piece, is there anything you pay special attention to, keep in mind, or have any rules of your own?

I try to make each part interesting for the performer and not boring. If I know the ensemble and who is playing within the band then I will try to write something that highlights their strengths. One rule that I have is to try to keep it simple so the piece is played well on the first rehearsal.

 

4. If you have a piece of your own work that was a turning point in your life as a composer, would you tell me the episode about that work? (This does not have to be a wind band piece)

My America’s Navy: A Global Force for Good was my first concert piece for wind band and it really let my co-works and superiors know that I have some experience as a composer. From this moment on I was sought out for arranging and composing among our US Navy bands.

 

5-a. If there are works by other composers or arrangers that have strongly influenced your composition or arrangement, would you tell me about them and how they have influenced you? (It does not have to be classical music)

Of course the biggest influence for me has been John Williams. I have been listening to his music since I was a child and would listen to the Star Wars soundtrack on a record that my mother owned. The first album that I bought on cassette tape was the Jurassic Park soundtrack. His music really brought classical music to life for me and allowed me to imagine the movie in my mind as I listened. I try to emulate that when I write today.

 

5-b. Apart from the above, would you tell me about any other contemporary composers that you are paying attention to, along with the reasons why?

One composer that I discovered recently was Sir William Walton. I was very surprised by his modern sound that still carries through even today.

 

6. Would tell me about your future goals (or what you would like to work on in the future)?

I would like to compose and publish my own music full time once I retire from the US Navy. I would also like to compose more music for animations once I have more time.

 

7. Your works are performed and appreciated in many countries around the world. What advice would you give to young Japanese composers and Japanese students who want to become composers?

Learn from your pieces! If something does not sound good or is not received well do not get mad, learn what didn’t work and apply that to your next composition!


Interview and text by Shuhei Umemoto (Wind Band Press)




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